シェイプってなに?
以前にご紹介したプロポーションを評価する「カット」とは異なり、
「シェイプ」とは宝石の幾何学的な外観の形状を指しています。
宝石には様々な「シェイプ(形状)」がありますが、主には大きく2種類に分けられます。
①ファセットカット(多数のカット面・切子面を有したカット)
┗ⅰラウンドシェイプ
┗ⅱファンシーシェイプ
②カボションカット(カット面のない半球型・ドーム型のカット)
ⅱファンシーシェイプってどんなもの?
ⅱファンシーシェイプ
ファンシーシェイプとはラウンドブリリアントカット以外のシェイプのことであり、経年のカット技術の進歩により現在までいろいろなシェイプが生み出されています。
代表的な例としては
1.プリンセスカット
2.エメラルドカット
3.オーバルカット
4.クッションカット
5.ハートシェイプ
6.マーキスカット
7.ペアシェイプ
8.ラディアント
9.アッシャーカット
など様々です。
3.オーバルカット
オーバルカットは12世紀頃から存在が確認されている、歴史のあるカットです。
Oval(オーバル)とは「たまご型、楕円」を意味しており、特徴的な丸みのある形は優美な印象を与えます。
オーバルカットはラウンドブリリアントカットと違い、研磨によって失う部分が少なく済むカットのため宝石そのものの美しさ、重量感を保ったデザインに仕上がるシェイプなのです。
楕円形のため角がなくファンシーシェイプの中でもカケに強いシェイプです。
オーバルカットの形は細長いものからぷっくりとした物まで様々です。
細長いものであれば、身につけた時に指が長く綺麗な印象を与え、ぷっくりとしたものであれば宝石の存在感を十分に感じられます。
4.クッションカット
クッションカットは1830年頃に考案されたカットです。
その名の通り、クッションやピロー(枕)に似た柔らかなエッジと、角のない丸っこい形が特徴で、正方形かつ大きなキューレットが特徴的です。
※キューレットとは宝石の底部の先端のカット面、または尖った点のことです。
通常ラウンドブリリアントカットなどはキューレットがごく小さなファセット面になるか、あるいは肉眼では確認できないほどの点になりますが、クッションカット場合は比較的大きめなキューレットとなります。
クッションカットはクラシックなシェイプとして認識され、アンティーク好きの方が好む印象がありますが、現代の研磨技術によって生み出される輝きは非常に魅力的です。
クッションカットは伝統的なデザインと現代の技術との融合ともいえるでしょう。
まとめ
今回はオーバルとクッションのシェイプについて、触れました。
次回は5. ハートシェイプ 6. マーキスカットをご紹介します!